サタスペキャンペーンプレイレポート最終話「パブロフの犬たち」その2

昨日の続きだよ。


さっそくリサーチを始めようとする一行。
前回みたいにMIBからのリサーチの手助けは無いの?」
「俺達2人じゃどうしようもない。それに、俺達はプラムを守って一固まりになっていた方がお前達としても安心だろう?」
「そりゃそうだ。残念。」
「その代わりといっちゃなんだが、餞別だ。これぐらいしか持って来れなかったが・・・」
そう言ってJが取り出したのは、なんか肉々しい物体。半無限的に使える薬草、『視肉*1』であった。
「おお!またこれを見ることになるとは!」
「こないだは食いきっちゃったもんねー*2
「これだけでもありがたい。カオファンとプラムを頼むぞ」
「・・・あのー」
「ん?フランシスカだっけ?まだいたの?」
「私達も協力するわよ。オオサカの宇宙人全部持ってかれたら研究のしようがないわ!」
「本当か。いや、協力してくれるのはありがたい」
「だから、MIBの人に相談なんだけど、ちょっと今後はよしなに・・・」
「たいへんだな、アンタも」


「というわけで、ルール的にはトンデモ・工作の趣味を全員が持っている扱いになります」
「やったー」

そんなこんなでリサーチ開始。リサーチ内容は「『ムー・テクニカル・グループ』への潜入方法」。
が。
初っ端にファンブル。教養ハプニング表の結果は9。
「ウィルス侵入。ネットワーククラッシュ。この情報を情報ルールで手に入れることはできなくなる」

  ( ゚д゚)

  (つд⊂)ゴシゴシ

  (;゚д゚)

  (つд⊂)ゴシゴシ
    _, ._
  (;゚ Д゚)

さぁ困った。このままだとノールール領域で情報をゲットする羽目に。
「リサーチ内容変えてやればいいんじゃないかな?」
「そ れ だ !」

というわけで、リサーチ内容は「『ムー・テクニカル・グループ』のセキュリティ管理状況」になった。
セキュリティレベルは6。難易度の高い情報だ。しかし、こっちも伊達に4回セッションを切り抜けていない。サクサクと情報の糸を紡いでいく。難易度の高い判定には、清司の《応援》*3がかかる。そんなこんなで、たった2日で情報は手に入った。この辺は流石歴戦の亜狭と言うべきか。
目的のターゲット・ディレクトリは、トンデモで、教養の判定でたどり着いた。
なので、こんな演出をしてみる。


市立図書館のインターネット端末を使って情報を集めるサンチョ。そうしていると、後ろの机で勉強をしていた学生が、突然ビクンビクン震えながら、「アァアあアああァアあアあァ・・・!!」と奇声を上げ始めた。そして、
「めっ、冥王星から電波がやって来るゥ〜〜〜〜〜クァwセdrfrtgyフジk」
「frtgy・・・『ムー・テクニカル・グループ』のセキュリティ管理状況は・・・云々・・・あqwせdrftrgyh・・・ハッ!?僕はいったい何を?何か一瞬気が遠くなったような!?」


という演出を用意してみましたが、いかがでしたかな?(執事面)
PC全員(;^ω^)顔。
「・・・とりあえず、「勉強しすぎると身体に毒だよ」と言って帰ります」



さて、それと同時に、ハシュドゥルバルは特攻のための準備として、買い物をしようとしていた。火力もそうだが、対スカルちゃん用に必要なものがある。照明だ。あの化け物は、暗闇の中でも自由に動けるという。そのアドバンテージを少しでも消すため、釜ヶ崎のいつもの店に立ち寄る。「やぁミスター。ちょっと要り用でやって来た。用意してもらいたいものがあるんだが・・・」

ハシュドゥルバルの言葉が終わらないうちに、店の店主は苦い顔をしてこう言った。
「悪いな、ハシュドゥルバルさん。「O7O(仮)」の奴らにはモノを売れないことになってるんだ。俺達も死にたくないんでね。すまねぇ。」
『ムー・テクニカル・グループ』からの《圧力》*4がかかったのだ。
「親父の差し金か・・・。舐めた真似を・・・」
「いや、ミスターは悪くない。命は大事、それは皆同じだ。これからもごひいきに頼む。」
それだけ言って、ハシュドゥルバルは引き下がった。心の中では父親への怒りが静かに渦巻いていた。


「そういうわけで、高い買い物は出来ないと思った方がいいな。最低でも照明は欲しいんだが・・・」
「じゃア、盗みマショう。」
「ん?」
「買えないナラ、盗む。コレ、常識。」
さらっと言うネリー。そして言うが早いか、道路脇の看板を照らす、でかいイルミネーション用ライトを盗って来た。
「これデOK。ネ?」
「・・・オマエの手際の良さには感心するよ、まったく。」
その他にも、メイシャンは自費でキャンプ用のライトを買ってきた。《圧力》の異能は、実はハシュドゥルバルにはピンポイントに効いたのだが、他の連中にはあまり効果がなかったのだ。残念。
これで、対スカルちゃん用の装備はOK。火力も、まぁ充分に揃っているだろう。なんせこの連中、スナイパーライフルを3丁持っている。恐ろしい狙撃部隊である。DDは泣いているぞ。



リサーチの結果、『ムー・テクニカル・グループ』のセキュリティで、一ヶ所だけ抜け穴があることがわかった。電気制御室だ。下水道から本社の地下にある電気制御室に潜り込む。その日の夜のうちに、決行することになった。ちなみに、スカルちゃんの足取りもリサーチしてみたが、『ムー・テクニカル・グループ』本社内で待機しているとのこと。完全に待ち伏せているらしい。ハシュドゥルバルはここで、おたから「スーパーダイエット*5」を使用。これで移動力が9になり、先手を取って狙撃することが可能になった。完全戦闘仕様である。


ムー・テクニカル・グループの中は異常に静まり返っていた。まるで誰もいないかのようだ。または、生きているものが誰もいないか・・・。ビルの中を歩いていると、中央の大広間にでかでかと血文字で文字が書いてあった。


「PARTY in 20F!!」


「ねぇ、ハッシュ・・・キミの親父さんってこういう嫌なセンスなの?」
「いや、最後に会った時はマシだったと思うが・・・」
「てことは、スカルちゃんかな?」
「・・・(ギュッと拳を握る)」


20Fはミーティングルームだけの階だった。エレベーターを上がると、中央と左右に部屋。そして中央の部屋の扉には、血糊がべっとりと。これでもかという誘い込み演出に、全員イヤーな顔をする。ネリーが中の様子を探ると、中には人の気配は1つだけのようだ。
「とりあえず・・・入ってみる?」
「ライト点けて照らしながら入ろう」


部屋の中は予想通り真っ暗だった。扉を開けると同時に、中をライトで照らす。広々としたミーティングルームの中央に、スカルちゃんが立っていた。その周りには、何人もの人間が倒れている。息は既に無いようで、そして全員例の首輪をつけているのが見えた。
「やっと来たか。待ってたぜ。」
「お迎え、どうも。その足元の奴らはなんだ?」
「こいつらか?お前らと同じようなもんだよ。俺を殺しにかかってきた奴らだ。どいつもこいつも話にならなかったがな。おまえらはどうだろうな?こいつらと同じか?違うのか?」
「試してみろよ。すぐに違いをわからせてやるさ、その身体にな」
「ハハッ!!そうか。はじめようぜ。パーティータイムだ。踊れ!


かくて始まった、怪人スカルちゃんとの戦闘。移動力9で動くは、ドーピングしたハシュドゥルバルとスカルちゃん。スカルちゃんは精神点をめっさつぎ込んで、フルオート射撃で全員ぶち殺す勢い。そこに飛び交うサンチョの罵声。《口撃》の異能で、射撃の難易度は+1され、12になった。
「12だろ?36発に1発は出るんだ、10発くらい撃ちゃあ出るだろうよお!!」
そういってサイコロを振りまくるDD。12出るな、12出るなと祈るPC。
「銃弾の雨は痛いだろお!?ハハハハッハハハハ・・・ア?もう弾切れかぁ?」
14回振った結果、ファンブルもクリティカルも出ず。DDしょんぼりどころか焦りまくり。移動を忘れていたので、ライトに当たったまんまだったのだ。せめて暗闇に逃げるとか言っとけば良かったのに。
スカルちゃんのフルオートと同時に、遮蔽の後ろからハシュドゥルバルが38式歩兵銃で狙撃する。難易度は10。だが、当たらない。
次に動くは、狙撃部隊の2番手、サンチョ。38式歩兵銃で遮蔽の裏からヘッドショットを狙う。難易度はやはり10。しかし、またも当たらない。スカルちゃんの勢いに押されているのか。
「ハッハハハ!!確率6/36だから、1/6だろお!?当たらねえ時はとことん当たらねえんだよお!!」
そう言って高らかに笑ったスカルちゃんの頭が、「パンッ」という音と共に弾けた。
「確かに1/6ネ。でも、あなタは間違ってル。1/6なラ、6発撃てば1発は当たるノヨ」
静かにそう言うネリーのSVDドラグノフが、スカルちゃんを捉えたのだ。
「ハッハー!!やるじゃないかぁ!だがこんな程度じゃあ・・・」
「普通は死ぬもんなんだよ、その傷なら。だからさっさと死ねよ、化け物!」
またも飛び交うサンチョの《口撃》。セーブ判定*6の難易度は11に上昇。
執念で1回セーブ判定に成功するも、結果は9点ダメージで気絶。
「グッハッ!そんな・・・!この!俺が!負ける!?馬鹿な!馬鹿・・・な・・・」
何人もの人を殺してきた怪人は、驚愕を表す声と共に倒れた*7


気絶から目を覚ましたスカルちゃん。その傍らには、メイシャンが立っており、倒れているスカルちゃんを見下ろしていた。
「みんな・・・。仇を討つよ・・・今・・・」
そう言って、右腕を振りかぶり、超合金製のグローブをはめた拳を、スカルちゃんの胸に叩き付けた。轟音とともに、飛び散る血と肉。そして後には、ぽっかりと拳大の綺麗な穴が、空いていた。


「ガハッ・・・確か、俺に勝ったら教えてやるって、この間言ったっけな・・・。ハシュドゥルバル・・・。この首輪に見覚えはあるだろう?」
スカルちゃんの首には『首輪物語』の首輪があった。
「俺もお前の親父の飼い犬なのさ・・・。そしてお前の親父の後継ぎ候補でもある・・・。」
「首輪をしているヤツはみんなそうさ・・・。お前の親父、いや、ラムーはそうしてより強い肉体を手に入れて、それに乗り移って今まで生き続けてきた。それが、ムー人が見つけた、不老不死の方法だったのさ。」


「メイシャン・・・。仇が討てて、満足か?」
「・・・・・・あぁ。」
「そうか・・・俺は、オマエラのその言葉が・・・聞きたくて・・・殺しを・・・。」
そう呟きながら、虐殺天使スカルちゃんは、事切れた。


「ラムーめ・・・まだ諦めてなかったですか・・・」不意にへちょ太が呟き出した。
「ラムーはムー人のなかでも野心に溢れた男だったです。肉体交換の秘法が出来た時も、これを使って生き続けて、最強の肉体を手に入れるのだ!と言っていたです。そして、秘法の秘密を知るムー人を次々と殺して回ったです。そして僕も・・・。とっさのことでちょうど研究していた強化ネズミの体に移ったはよかったですが、ラムーの暴走を止めることは出来なかったです・・・。」
「へちょ太・・・記憶が戻ったんだね」
「ん?・・・あ!そういえば僕今まで記憶喪失だったです!記憶が戻ったです!やったー!!」
喜ぶハムスター。それを微笑ましく見つつ、清司はぽつりと言った。


「で、これって脳内会話ですよね?」
忘れてた。
これこれこう言ってますよー、とへちょ太の言ったことを他4名に伝える清司。哀れむような視線を清司に投げかける4人。がんばれ清司。キミは悪くない。悪いのはそんな役を振ったDDだ。


続くよ。

*1:食うと生命点が回復する上、少しでも残っていれば元の量に戻るという謎物体。ただし精神の抵抗に失敗すると、美味すぎてうっかり全部食ってしまう

*2:第3話でもらった『視肉』は、第4話で食いきってしまった

*3:他人をサポートすることで判定の難易度を1下げる異能

*4:自分より貧乏な奴の動きを妨害出来る異能。

*5:使うと1日の間移動力が+3されるが、他の食べ物や薬などを受け付けない体になる

*6:ダメージ減少判定のことね

*7:黄金髑髏マスクかぶってるから表情わからんもんで。もっとも声は初音ミクボイスだから、色々と台無し