墜落世界キャンペーンプレイレポート 第1話「旗揚げ」その3

先日遊んだ墜落世界のキャンペーン第1話のプレイレポートの続きだよ。前回のはこちら


1050週 4日目 フィールド3-3 墜落船「トイザラス」搭乗口付近
前回の回収作業で口に糊する程度の資金は貯まったので、時間を気にせず気兼ねなく回収作業に専念出来るようになった『ハエトリグサ引越しセンター』社員一行。獣族の子供達の頼みを聞いたお礼に貰った回収許可証が示す場所には、どぎついビビットカラーの外装の墜落船があった。船の中央部分は水に浸かっているのが見える。墜落地帯にある水は有害物質以外の何物でもない。イヤーな顔をしながら入っていく一行。中も外装同様目に悪い色彩で統一されている。入口付近の区域は生物の気配は無く、しんと静まり返っている。このあたりは既に誰かが入って探索した後らしく、破片が散乱してぐちゃぐちゃになっている。めぼしいものはとられた後のように見える。
例のごとくトリウムが発見判定を行い、そつなく成功。ハザード「腐食穴」と不確定名「道具」を見つけた。次のターンに「腐食穴」を解除しようと試みるが、失敗。その失敗に反応して、「腐食穴」が発動。「トイザラス」の回収許可証が1段階故障してしまった。あと2段階故障すると、回収許可証が無くなってしまう。怖い怖い。
ここでトリウムが社長に提案をした。「このブロックに何も無いなら、今のうちに休憩しておきませんか?先に休憩を取ってもいいんでしょう?」
名案である。というか、並以上の回収業者なら間違いなくそうするものだ。その方が生き延びる可能性が高いからね。


1050週 4日目 フィールド3-3 墜落船「トイザラス」操縦室付近
休憩した後に一行が奥に進むと、床部分の破損が激しく、派手に浸水している区域に出た。どうやらここが船の中央部のようだ。入口近くには元々この船の買い取り主だったと思われる回収業者の死体が倒れている。汚水のニオイと死体の腐ったニオイで、この区画は想像を絶するほどのニオイが充満していた。そして情景描写が示す通り、汚染度は一際高い
こんな危険な場所には長居は無用。しかし一連のシーフ作業はやっておかなければならない。ここでも無難に発見判定に成功するトリウム。優秀だな、コイツ。
見つかったのは「緊急用防壁」というハザード。ブロック間の移動が出来なくなるが、解除判定で成功度2を出せば再び移動可能になるという代物。しかも難度は2で、行動の失敗がトリガーで発動する。
解除するのも放置するのも危険なハザードだ。ここは専門職のトリウムに任せるしかない。慎重な手つきでハザードの出力電源を探す。
ほどなくして、トリウムが帰ってきた。「もう大丈夫ですよ。緊急用防壁の電源は落としました。さっさとここから離れましょう。」
ほとんど時間をかけずにハザードを解除したトリウム。本当に優秀だな、コイツ。


次に向かったのは右舷方向の区域。ここには壊れたベッド、机など、ここで人が生活していた形跡が残っていた。金目のものもあるかもしれない。そう考えてさらに奥に踏み込むと、複眼で3本足という姿の宇宙人と目が合った。彼らは餌を探していたらしく、涎を垂らしながら、額の角を振りかざしてカンパニーに突っ込んできた。
戦闘開始と共に、三方に散らばるBEM*1。特に中央のBEMは高所をひょいひょいと通って突撃してきた。額の角には[突撃]の追加効果があり、移動距離がダメージに上乗せされる。しかも三本足なので【戦闘移動】の値は4。当たれば最低でも8ダメージ。前衛が即死できる必殺技だったが、あえなくハズレ。
対するカンパニー一行は、定石通りに前衛陣を前に進め、後衛陣は発見判定と敵の鑑定を行う。ここでもトリウムは順調に実力を発揮し、「電撃*2」と「排除*3」のハザードを発見した。敵のスペックもわかり、角の一撃以外はそれほど強い敵ではないと見るや、各個殲滅に動き出す。三方に分かれたのは失敗だったかと、GMは臍を噛んだ。
問題は、ハザードの解除である。「電撃」はともかく、「排除」はカンパニー全体に死の危険が近寄るヤバい代物だ。なんとしても解除しておきたい。
しかしここでまたもやトリウムがシーフ担当の本領発揮をする。2つのハザードを両方とも軽々と解除してみせた。驚くべきシーフ力(ぢから)。
「俺頑張ってる!俺超頑張ってるよ!」
「すごい!すごいヨトリウム!(壊れたラジオのように)」
BEMも順調に退治され、問題なくこの区域を探索し終わった一行。残るは船首方向のエリアだが、今までの3ブロックの手ごたえから、残ったブロックに強い敵がいる可能性を考え、一旦壁街へ帰ることにしたのだった。


1051週 2日目(この辺曖昧) フィールド3-2 墜落船「リローデッド」内部
壁街に戻って回収アイテムとモンスターの死体を売り、壊れた装備を買い直すと、ほんの少しだけ黒字になった。このまま2つの墜落船のうち、どちらかを踏破してしまおうという事になり、近くて小さな「リローデッド」の方に向かった一行。墜落船の全てのブロックに足を踏み入れると、それだけで経歴点が20点も手に入るのだ。前回ハエトリグサ男爵が取得した経歴「待機員*4」の目で見ると、100EU分の経歴点が手に入るのである。これはお得。行っておかない手は無い。
そんなわけで、墜落船の奥に進んだ一行の前には、すっきりとした大きな空間が広がっていた。一面埃まみれの空間は見渡すことが出来るほどすっきりしており、人影も全く無く、物音一つしない。そして正面には出口と思しき大きな扉がある。しかし次の瞬間、突然何も無い空間から一行の周りを取り囲むように無数の扉が出現した。そして全ての扉が同時に開けられ、前のブロックにいた男が現われる。



この人ね。



そして彼らはこちらを見据えて一斉にこう言った。
ごきげんよう、ミスター・アンダースン」



かくて戦闘である。敵はスミスさん(仮)が9体。敵のスペックを見ると、戦闘能力こそ低いものの、【生命点】が14もあり、面倒くさいこと極まりない。
そして墜落世界の戦闘は、数こそ力である。高所を使って豪快に殴り合いをしていた歯車童子が、数とクリティカルの暴力によってあえなく地に倒れ伏した。
「よし、逃げるでおじゃる」
社長の判断は素早かった。前衛の要である歯車童子が倒れると同時に逃亡を社員全員に促す。逃走判定担当のカツオが、前衛陣を1人、また1人と逃がしていった。
しかし、敵は一歩、また一歩と戦闘盤を蹂躙していく。前線でZOCを維持していたヒルッチも倒され、スミスさん(仮)の集団は後衛のカツオとハエトリグサ男爵に迫る。
すると寸前の所でハエトリグサ男爵が逃走に成功。
ヒルッチ・・・くッ・・・済まないでおじゃる・・・ッ!!」
断腸の思いで戦闘区域を離れるハエトリグサ男爵。後に残るはカツオと倒れたヒルッチ。スミスさん(仮)はカツオに群がり、何かの物体で殴りつけてくるが、スペックが低いため当たらない。しかし周囲をぐるりと囲めば8回攻撃である。それだけ攻撃すれば1回は当たる。そしてそれが数ターン続けば・・・。緊張の面持ちでカツオの無事を祈る一行。かくて戦闘は続き・・・


「あっ!あれヲ見てクダサイ!(壊れたラジオのように)」
「カツオだ!!無事に逃げ出せたんだ!」
「無事で良かったでおじゃるよカツオ!・・・それで、ヒルッチは・・・」
「・・・ご、ごめんね、オデ、オデがんばったんだけど・・・」
「いや、いいでおじゃるよ。・・・そうでおじゃるか。ヒルッチは、麿より一足早く、宇宙(そら)に旅立ったのでおじゃるな・・・」
灰色の雲で一面を覆われた空を見上げて、ハエトリグサ男爵は、少しだけ、ほんの少しだけ、泣いた。




「さて、壁街に帰って新しいヒルッチを買うでおじゃるか。なんせたったの30EUでおじゃるからな」
色々台無しになった。


といった所で今回の仕事は終了。次はどんな苦難や理不尽な出来事やGMの悪意が彼らを待っているのだろうか。
1051週 4日目 1ターン現在
『ハエトリグサ引越しセンター』資金:137EU


終わり。

*1:Bug-Eyed-Monsterの略。

*2:ランダムな目標に4点ダメージ+[昏倒]の追加効果。普通ならほぼ確実に戦闘不能になる。

*3:このブロックごと射出され、「GMの」任意の方向に4フィールド移動する。十中八九墜落焦点の方向に飛ばされて、帰るのが困難になる。

*4:ニート