あの頃は僕にも超能力があったんだ

The Book 〜jojo's bizarre adventure 4th another day〜

The Book 〜jojo's bizarre adventure 4th another day〜

発売当時に買っていたもののまったく読まずに積んでいた本を、このたび何の気まぐれか読んでみた。読み始めた途端に目が離せなくなり、貪るように読み進め、3時間ほどで全部読みきってしまった。文字の大きさもそれほど小さいわけでもないので文字数は決して多くなく、さらにこの作者は伏線や叙述トリックが上手いので読ませる文章になっているため、簡単に読む事が出来たのだと思う。久しぶりにJOJOを堪能した。

五年間、この小説のことばかりかんがえていた。
(中略)
ジェイブックスで作家デビューしたのは、この仕事をするためなのだ、という充実があった。そもそも、第四部が小説化されずに残っていたのは幸運だった。十代の頃、僕が『ジョジョ』の小説を書かせてもらえるのなら第四部がいいな、とぼんやり夢想していた。夢がかなった、と言っていい。
(あとがきより)

作者は筋金入りのジョジョファンで、それは作品の端々からも伝わってくる。そしてこのあとがきを読んだ時、「自分と同じだ」と思った。僕も小学生の頃にジョジョと出会い、それからずっと2次創作の物語を妄想していた。AA作品を作って投稿したりもした。GURPS-ジョジョを考えてみたこともあった。あんな独特の雰囲気を持った、知略に富んだ異能力バトルゲームを作ってみたいといつも考えていた。僕の想像力のルーツはジョジョにある。
作者の乙一氏は、小説という形で自分の中のジョジョを体現した。彼の小説は僕に少年の頃のあの思いを再び呼び起こさせてくれた。僕も自分の中のジョジョを形にしたい。それはきっとジョジョという形では作れないと思うけれども、それでもいつか必ず。