シノビの道は暗くて紅い

サイコロ・フィクションシリーズは一冊欲しかったので、買ってみました。現代日本を舞台に忍者と呼ばれる異能力者になって戦うゲームです。
サイコロ・フィクションシリーズはリプレイとルールブックが1つになった形の本で、リプレイを読めばさしあたってどういうゲームなのかがすぐわかるようになっています。
そんで自分もリプレイを読んでみたんですけれどね。読んでる間、ずーっとこのゲーム何かに似てるなー、と思っていました。それは何か?
それは超人ロックボードゲームです。学生時代に散々やりまくったあのマルチゲームにそっくりだと思った次第なのですよ。
超人ロックボードゲーム超人ロックの登場キャラクターになって自分の勝利条件を満たすために戦ったり協力したりするゲームです。特徴的な部分を挙げると、プレイヤーはゲーム内でキャラクターを1人担当するんですが、誰が何のキャラクターなのかは最初は自分以外のプレイヤーには明かされていません。誰が敵で誰が味方なのかもわからない状況の中で、プレイヤーは他人の正体を推理しながら自分が勝つようにあれこれ動くわけです。
それからもう1つ。キャラクターの勝利条件は同じ陣営でもちょっとずつ違っています。「○○が死んでいたら負け」とか「○○を自分で殺せば勝ち」とか「△△(味方キャラクター)が生きていたら負け」とか。この微妙な条件の違いのおかげで、ただのA陣営vsB陣営で終わらないゲーム展開が繰り広げられるのです。
この2つの要素が「シノビガミ」にはあります。「シノビガミ」ではPCはそれぞれ【使命】と【秘密】をハンドアウト*1として持っています。【使命】とはPCがゲーム中で為すべき目的のこと。【秘密】とは本人だけが知っている隠された裏設定のこと。【使命】についてはゲーム開始時点から全員に公開されていますが、【秘密】は最初は本人以外には伏せられています。
リプレイとサンプルシナリオを見る限りでは、PCの半分くらいの【秘密】には「本当の【使命】」や「【使命】が変更されるスイッチ」が書かれているようです。つまりは超人ロックと一緒で、最初は誰が敵で誰が味方なのかわからない状況だってことです。これはおもしろい。超人ロックにドラマ性を加えたらこうなった、みたいな感じだと思いました。
TRPGにおいてプレイヤー同士の対立というのは扱いづらくて好き嫌いが分かれるデリケートなネタです。TRPGは基本的に「皆で楽しく過ごせれば皆勝ち*2」という遊びなのだけれども、そこに勝負事を乗っけると本来の「皆で〜」が見えづらくなっちゃうんでしょうね。たとえ何であろうと、勝つと嬉しくて負けると悔しいから。勝ち負けにばかり躍起にならない脳みそが必要だなー。
自分は基本的に勝負事が苦手です。熱くなるから。特に自分のミスがダイレクトに影響するもので負けると、凹んで寝込みます。でも、超人ロックでは負けてもそんなに悔しくなかったんだよね。なんでだろう?こういう所に超人ロックの良さが隠れているのかもしれません。そして超人ロックに似た「シノビガミ」にも、「負けても悔しくない秘密の要素」を期待したいですね。とりあえずどっかで遊ぶかなー。

*1:GMから渡される、あらかじめ決められた小設定

*2:遊びというものはすべからくそういうものですけれどね